不運なロイヤルテイストテスター

“王の忠実な道化師である私は、かつて王室のお毒見役が恋をするのを手伝ったことがある。クレイグ卿は勇敢な騎士だったが、敵のメイスで頭を殴られ目がおかしくなってしまった。今は、彼は勇ましく食卓に仕えている。”

~A Jester’s Guide to Romance by Heckles~

日時:
2月20日(日)
21:00~ 出雲シャード
22:00~ 桜シャード

集合場所:ブリテイン広場
※ニュジェルムEMホールに現地へのゲートを設置いたします。

※当日2回目以降に実施のシャードは開始時間が遅れる場合があります。あらかじめご了承ください。

◆ チャットチャンネル24th Liveにお入りください。
◆ 戦闘準備の上、お越しください。
◆ 予期せぬ出来事が発生するかも知れません!貴重品はなるべく持ち込まないよう、お願いします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
– イベント進行の妨害、かく乱行為。
– EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さまのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

【UO公式】ホリデーギフトの配布が開始されました!

Holiday Gifts Now Available!

こんにちは。

すべてのブリタニア民に季節のご挨拶をしたいと思います! ホリデーシーズンの到来を祝うために、国中の職人たちは刃物を研ぎ、ハンマーを準備しています! 今月は匠のフェスティバルが開催されますが、それを記念してべスパーのThe Busy BeesとThe Colored Canvasの職人たちが、ブリタニアの皆さんにホリデーギフトをご提供いたします。 ホリデーのろうけつ染めとキャンドルは、コレクション性の高い種類が揃っています。 ぜひ手に入れてくださいね!

また、この季節のフィクションをお楽しみください。

闇の中の光

EMマラキ著

べスパーにも冬が訪れ、雪の降る月日が始まっていた。エリディールは物思いにふけっていると、橋の欄干に座っている若い女性にぶつかった。彼女は水面に降る雪を眺めながら、鼻歌を歌っていた。

彼が謝ると、彼女は笑って飛び降りた。「心配しないで。あなたは私を水の中に突き落とすことはできなかったわ。コリンヌよ」

「エリディールだ。何度もすまない」エリディールは去ろうとした。

コリンヌは腕を大きく伸ばして彼の行く手を阻んだ。「ええと、エリディール、あなたはこの時期にしては地味すぎるわね。クリスマス気分はどこにあるのかしら?」

「今はいろいろと問題があるんだ」

「それはそうかもしれないわ。どんな時代にも悩みはあるものだけど、あなたが本当に悩んでいるのは何のことなのかしら?」

エリディールはため息をつきながら話し始めた。彼は長い間閉じ込められていたことや、失った懐かしい人達のことを話した。ダークモンクの儀式やリルビニアンの狂気など、ウィスプが彼に見せてくれたことを話した。将来への不安まで話して聞かせた。話せば話すほど、続けるのが楽になっていった。

彼が話し終えた時、エリディールは自分の足が凍っていることと一時間近く話し続けていたことに気が付いた。「すまなかった。君に負担をかけるつもりはなかったんだ。寒かっただろう」

「私は寒くはならないわ。ニつほどアドバイスしてもいいかしら?」

「もちろん」

「あなたは一人ではないわ。あなたの家族や友人は去ってしまったかもしれないけれど、あなたは他に手助けする人達を見つけたわ。お返しに彼らに助けてもらいましょう」

「それは理にかなってる。で、もう一つのアドバイスとは?」

「The Busy Beesでキャンドルを買ってきて。寒い冬の夜にバニラの香りを嗅ぐと、いつも元気になれるの」コリンヌはにこっと笑った。

エリディールは笑った、心配していたことが少し解消された気がした。

「さて、エリディール、私はもう行かなくちゃ。The Colored Canvasに肖像画を描いてもらいに行くの。後で会えるかもしれないわね」

*****

その後、エリディールはコリンヌがまだ画家のモデルとして座っているかどうかを確かめるためにThe Colored Canvasに立ち寄った。休暇中に飾る版画を検討していたエリディールは、有名な画家アルバータ・ジャッコが代わりに冬の花のアレンジメントを描いているのを見た。彼が不思議に思って近づくと、完成したコリンヌの肖像画が壁に飾られているのに気づいた、そして店員に「どうしてこんなに早く仕上げられたのですか」と尋ねた。

店員は困惑した表情をした。「それは新しい作品ではありません。コリンヌは数年前に亡くなりました。かわいい娘だったが、生まれつき心臓が弱かったんです」

*****

エリディールはコテージに近づき、ノックした。年老いた婦人が応答すると、彼は自己紹介をした。「亡くなった娘さんに会ったことがある者です、プレゼントを届けに来たんです」

彼女は包みを開けた。「バニラキャンドル!コリンヌのお気に入りだわ。ありがとう。夕食をご一緒にいかが?」

「ありがとうございます、そうさせていただきます」エリディールは彼女に続いて中に入った。彼女がドアを閉めるとき、エリディールは誰かが道に沿って雪の天使達を作ったことに気がついた。

【フィクション】ブラッドスポーン

Blood Spawn

引き続き行われるダイナミックなイベントシリーズに、新たなチャンプスポーンを発表します! 勇気のある方は、トクノのヤマンドンポイントに行って、強大な敵と戦いましょう! また、フィクションシリーズの次の作品「ブラッドスポーン」もぜひお楽しみください。

EM マラキ著

何年も前のこと……。

そのガーゴイルの肉は、保存のために使われた塩漬けのせいで黄ばんでいた。丁寧な切り込みが体を覆い、心臓と肝臓が一対のうろこの上に置かれていた。部屋には腐臭を消すためのお香が漂っていた。

リルビニアンはそのクリーチャーの唇を引っ張り、歯を調べた。「驚くべき標本だ。船長からもらったのか?」
ターニウスはノートを開き、メモを取り始めた。「昔、彼を手伝っていたことがあるんです。だから彼は航海中の奇妙なものを持ってくるんです。嵐で彼の船が南の島のほうに流されて、彼はそのクリーチャーをそこでを見つけたそうです」
「ヒスロスの近く?それで、解剖からデーモンの魔法の秘密を学んだのか?」

ターニウスは書き物から顔を上げずに答えた。「ガーゴイルはデーモンじゃありませんよ」

「何を言っているんだ?身体的属性と魔法がとても似ているじゃないか」

「比較解剖学の研究により、このクリーチャーは我々と同じように地上の人間であり、死すべき存在であることがわかったんです。胃の中には未消化の果物さえありました」

「それでは彼らの悪魔的な魔法の説明がつかない」

ターニウスは一冊の本を開き、リルビニアンに手渡した。 「それは呪いだと思います。これは10年前にヒスロスで発見されたカルトゥーシュから書き起こしたものです。ガーゴイルは悪魔族とは別の独自の文字言語を持っているんです」

リルビニアンはページに書かれた記号に目を通した。

An-bal-sil-fer mon-le mur trak sadis esh an-in-tas. Lem-de crios in-flam-le ku daemon-ku bal. Tu de ben-kir asper-le kat-ku gargl. Lem est An-Kal-Lem.

「意味不明だな。訳してくれないか?」

「もちろんです。大体、こう書いてあります。「偽りの預言者は多くの者を破滅へと導いた。彼らの血は邪悪なもので燃えていた。輪の者はこれらの呪われたガーゴイル達を追放した。彼らは 『追放された者』である。」

「ヒスロスのガーゴイルが呪われているということは、どこかに他のガーゴイルがいるということか?」

「そう思います。彼らは興味深い対照群となるでしょう。悪魔の呪いが血の中にあることを確認できますからね」

リルビニアンは微笑んだ。「このガーゴイルの血のサンプルをくれないか?」

*****

現在……。

普通の人にとっては、夜を漂うぼんやりとした点に過ぎないが、シラモにとっては、ソーサリアの太陽系の端にある彗星は生涯の夢であった。ムーングロウの望遠鏡のおかげで、ガーゴイルの学者は数十年以上もソーサリアに接近していなかった彗星を再発見することができたのだ。

人間の天文学者であるザカリアが、天体の謎を解くためにシラモをムーングロウに招待したとき、シラモはAn-ven Bal-sil彗星を見つける機会を得た。

彗星の現在の座標を記録していたシラモは、望遠鏡の反対側で騒ぎを聞いた。巨大な光学機器の上を飛んでみると、紺色のローブを着た数人の人間が、意識を失ったザカリアの上に立っていた。

シラモはその集団に飛び込み、神秘魔法のジェスチャーをした。「私の友を傷つけてはいけない。Vas Zu!」

スリープの魔法は、集団の防御壁に反射していた。シラモは反射した自分の呪文には抵抗できたが、空から引き裂かれるような連続した爆風には抵抗できなかった。墜落したとき、魔術師のリーダーが前に出てきた。「ザカリアに用があって来たのではない、ガーゴイル」

リルビニアンはブラッドスポーンのスパイクを描き、シラモの心臓を貫いた。「これがお前の再生の最初の部分だ」

 

【フィクション】Demon’s Dinner

Demon’s Dinner

私たちのフィクション・シリーズの次の作品を、ぜひじっくりとお楽しみください。

デーモンの晩餐会

EM マラキ著

何年も前……。

近所の黒猫に引っかかれたとき、ヴァージル・ハッセンは今日は嫌な日になりそうだと思った。その心配は、リバーズ・ゲート・ブリッジで泥の水たまりに落ちたときに確信に変わった。大事な晩餐会の日に、仕事に一時間も遅刻したことも、ヴァージルの気分を悪くした。

ヴァージルが到着すると、シェフのティレルはニンジンを切る手を止めて首を振った。「君はとてもラッキーだよ。レディ・テッサが君を解雇しないと約束してくれたんだ」

「レディ・テッサが来られたのですか?」

「彼女は晩餐会のためにいらしているが、いくつかの贈り物を置いていくために厨房を訪ねてくださったんだ」 ティレルは新しい包丁を見せびらかした。

ヴァージルは厨房を見渡した。ペストリー・シェフのリンドリーはニュジェルム・レースのスカーフを巻いて笑顔を見せていた。皿洗いのミリーはエプロンの中にポーセレン・ドールを忍ばせていた。厨房のポーター仲間は、カウンターの上に高価な酒瓶を並べていた。「贈り物、って言ったのかい?」

「でも、僕が君をまだ雇い続けるなら、贈り物は何もやらないと彼女に約束させたんだ。君がまだしなければならない仕事はね、ロースターを回して、今度はそれを見守るんだ。今夜はロード・ブラックソーンがいらしていて、彼は彼の政治的信条と同じく血の通った牛肉がお好みなのさ」

ヴァージルは文句を言おうとしたが、ティレルがすでに玉ねぎの山に目を向けていることに気づいた。彼が通り過ぎるとき、リンドリーがパイの飾り付けから顔を上げた。「お気の毒ね、ヴィー。でもレディ・テッサは本当になんとかしようとしてくださったのよ。私は彼女のウェディングケーキを焼いたこともあるのよ。それは美しい花嫁さんだった」

ヴァージルは仕事に追われた後、老ポーターのジョージに晩餐会の内容を尋ねた。「付き人の話では、ある魔術師が王様に仕事の成果を披露するらしい。その魔術師はデーモンを家政婦として使いたいと言っているとか」

シェフのティレルは、スープ鍋の側面にレードルを叩きつけた。「何のために?その次は何だ?馬がいなくても荷馬車が自力で動くようにする魔法か?腐ってやがる!」

ミリーは、自分の洗い場で質問した。「私はこの仕事を失うのかしら?私には、もう少し大きくなったら学校に行かせたい娘がいるの。彼女はもう文字の読み方を知っているのよ」

リンドリーは友人を安心させようとした。「悪魔の大きな爪じゃ皿洗いなんてできないわよ。悪魔はパイを作るのも得意じゃないと思うわ。悪魔の温かい手じゃ変な風にバターを溶かしてしまうから。キャラメルみたいに?たぶん」

王座の間から轟音と騒ぎが聞こえてきた。ヴァージルは尋ねた。「僕たちも心配すべきかな?」

ティレルは皿の準備を続けながら、「とてもうまくいっているのか、とても悪いのか。どちらにしても、デザートにはもっとワインが必要だ。ジョージがワインセラーからワインを持ってくるのを手伝ってくれ」と言った。

ワインセラーから戻ってきたヴァージルは、デーモンを目撃する前に悲鳴を聞いていた。巨大な灰燼のビーストは、その爪にティレルを突き刺していた。ジョージはミリーがそれに強打された時に仲裁に入ろうとしたが、老いたポーターは厨房の壁に叩きつけられてしまった。

見習い魔術師が部屋に突入してきて、生のマナの一撃をそのクリーチャーに投げつけた。彼女の呪文はデーモンは傷つけたが、デーモンはすぐに厨房のスタッフを殺しに戻った。魔術師は彼らを守ろうとしたが、見逃したデーモンの尻尾が彼女の喉に巻きついてしまった。彼女はなんとか謝罪の言葉を口にしたが、デーモンに首をへし折られてしまった。

デーモンが自分に集中すると、ヴァージルは正気を取り戻した。彼はワインの瓶の入った木箱をデーモンに投げつけた。デーモンは笑い、生き残っていた者たちに地獄の炎を放った。

ヴァージルの世界は炎と痛みに包まれた。

*****

さて……。

ダンジョンに入ってきた見知らぬ男にヘルハウンドの群れが襲いかかる。魔術師が手を振ると、クリーチャーたちは灰となり崩れ落ちた。インプの見張り番は、ヒスロスの強大なデーモンに警告するために飛び去った。

デーモンが到着すると、見知らぬ男はぎこちないお辞儀をして、曲がった笑みを浮かべた。それはあたかも彼の体全体が新しい服であるかのようだった。デーモンが放った地獄の火炎は、魔術師の結界に弱々しく当たった。

男は攻撃呪文を唱える動きをせず、クリーチャーが自分を引き裂こうと近づいてくるのを待った。そして、ブラッド・スポーンのルーンを作り出し、デーモンに叩きつけた。魔力と肉の焼ける音が響いた。デーモンは苦悶の表情で地面に倒れた。

魔術師はそのクリーチャーの上に立った。「お前は私の新しいしもべの第一号だ。行って、仲間にリルビニアンが戻ってきたと伝えろ。誰一人とも、二度と彼に逆らわないように、と」

【フィクション】The Dark Path

The Dark Path

Treasures of the Demonic Hoardのリリースに向けて、「The Dark Path – 闇の道」をお楽しみください。

ディード島を生み出した古代のマグマ溜まりが地下でくすぶっていて、耐え難い暑さとなっていた。血のついた手でテーブルの上のルーンをなぞるリーヤの周りには、灰が渦巻いていた。「我々は道を失った。今、我々は火を灯し、ガイドが我々を導くことができるようにする。“In Flam Lor Vas Ort Por”」

「我々の血によって、ワイルドファイアは燃える。この火によって、道が照らされる。その道によって、ガイドが戻ってくる。“Por Grav Uus Flam” 」他の二人のモンクが一斉に呪文を唱え、彼らの手からマナの込められた血が同じルーン文字の書かれたランタンに滴り落ちた。ランタンの光が、拘束されたレイスを震わせ、悲鳴を上げさせた。

ランタンの炎がわずかに揺らいだとき、リーヤは顔をしかめた。彼女の姉妹がいなくなったことで、二人の劣ったカルティストらがそれぞれの役割を果たした。彼らの血の魔法は呪文を維持するのがやっとで、少なくともうち一人は儀式で生き残れないだろう。どんなに犠牲を払っても、この儀式は成功しなければならない。

銀蛇の騎士団が到着したのは、2回目に血を供えていた時だった。サーペンツホールドの領主自らが率いる六人の騎士が洞窟に突入してきたのだ。襲撃前に言葉が交わされることはなかった。騎士がダークモンクに戦闘斧を振り下ろし、傍らのアーケイン・ビーコンごと切断した。血と石の心臓とワイルドファイアが混ざり合い、混沌とした魔法の嵐となって燃え上がった。もう一人のカルティストも同様の結果となった。

リーヤは逃げることを考えたが、冷静にその選択肢を捨てた。姉妹たちが死んでいったものを完成させるために。テーブルに刻まれた五芒星に両手をぺたりと合わせ、リーヤは怒りのマナの渦を儀式に注ぎ込んだ。残ったランタンは数十個の幻影に分裂し、ポンと音を立ててそれぞれのビーコンがエセリアルボイドに入っていった。

その音に驚いた従者が、槍を儀式のテーブルに投げつけた。リーヤはチャネリングのコントロールを失った。過剰な負荷はモンクの肉だけではなく、レイスの鎖も焼いた。

不可思議な縛りが解けた時、その亡霊は手を伸ばした。影の指がリーヤの腕に巻き付き、骸骨の口が彼女に囁いた。「今、お前は私が見た恐怖を知るだろう」

ダークモンクは、石を突き破って下のマグマの中に引きずり込まれ、悲鳴を上げた。