父を探して

アンダーワールドの片隅にとても仲の良いグリーンゴブリンの父子が住んでいました。
父親は一族の中でも変わり者として有名で、しょっちゅう外の世界へ出かけてはトモダチと冒険したり、
トモダチの言葉を教えてもらったりしていました。
そうそう「お酒の飲み方」もトモダチに教わったことの一つです。
彼のお気に入りはフリントの強烈ビール、手に入れるには一仕事必要です。
アンダーワールドにいるフリントという男のところからこっそりと大麦の樽や帳簿をくすねて、トモダチに手渡します。
トモダチは何食わぬ顔をして、いかにもそれら取り返してきたかのようにフリントに渡します。
するとフリントは大喜びで、特製のビールをくれるのです。それをトモダチと山分けするのです。
持つべき物は良いトモダチ!

酔った父親の話をいつも楽しみにしているのは彼の小さな息子。
生まれながらにちょっと変わった体の色をしていたので、こっそりと大事に育てられました。
そう、いわゆる箱入りってやつです。生まれてこのかたアンダーワールドの片隅から出たことがないのです。
彼に外の「トモダチ」はいません。でも良いのです。
大好きな父親がいるのですから! 

今日も父親はビール片手に話の花を咲かせます。楽しい冒険の話、難しいグレイゴブリンの話、
お酒の話、トモダチの魔法の話…くるくる変わるその話に小さな息子はもう夢中です。
「お父さん、ボクも外の世界に行ってみたいな!」
「…いいとも! おまえがもう少し大きくなったら一緒に行こう。」
「本当に? 約束だよ!」
「わかったわかった」
酔っぱらいの口約束だからと思いつつも、小さな息子は今日もトモダチの言葉の勉強に余念がありません。
外に出られない彼のために父親はたくさんの本を与えてくれました。
外の世界の本は彼の宝物。何冊だって飽きずに読みます。
「お父さん、この本は数字と名前ばっかりだね?」
「ああ、そりゃ帳簿だからな…こっちの本を読むといい。そういえばそろそろビールが無くなるころだな…」
「ちょっと出かけてくる」
いつものように父親を送り出し、小さな息子は勉強の続きをしました。そしていつのまにか眠ってしまいました。
目が覚めた時、彼は部屋で一人ぼっちでした。父親は帰っていないようでした。

それから何日かが過ぎても父親は帰ってきませんでした。父親の行方について仲間のゴブリンがいろいろな噂をしていました。
「彼はフリントのガードに捕まったに違いない」「彼は外で魔物に殺されたに違いない」「彼はロットワームに喰われた」…しかしどれも本当かどうかはわかりません。
小さな息子はひどく悲しみ、毎日泣きながらアンダーワールドをさまよっているそうです。

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【日  時】 6月19日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャット(#EM-Event)にお入りください。

【ミニイベント】 ラブレターの代筆?

チェリー「猫又さん、最近ジャムさんの様子が変なの知ってる?」
猫又「ジャムさんが変なのはいつもの事じゃ…?」
チェリー「それはそうなんだけど、今回はいつもとちょっと違うみたいなのよ、もしかしたら恋の悩みでもあるんじゃないかしら?私が聞いても「お前みたいな小娘に相談してもな~ヒック」って…」
猫又「コイですか?トクノの深海で釣りスキルが90以上とか聞いたような…?」
チェリー「…だめだこりゃ(怒)」
猫又「?」
チェリー「そっちのコイじゃなくてラブよ!!」
猫又「あああ! うーん、そっちの方は私は疎いんでパスです」
チェリー「結構冷たいわね(汗)、友達の為に骨を折ろうとか思わないの?ジャムさん夜中にスカラの酒場で自棄酒飲んでるらしいわよ!」
猫又「素人が口出ししても… う~ん、私の知り合いの女性に悩みを聞いてもらえるように頼んでみましょうか?」
チェリー「いい考えね、他にも誰か相談にのってくれると良いのだけれど…」

と言うわけで!

【日  時】 5月29日(日曜日)21時~
【集合場所】 トラメル スカラブレイ酒場 The shattered skull (六分儀座標:48o 36’S, 53o 5’W)

【備  考】 ※戦闘準備は必要ありません。
       ※文章を書くのが得意な方、女心のわかる方、オシャレな方大募集!
       ※スカラの酒場でジャムを見かけたら、彼の話を聞いてあげてください。

船で引越し!

ゴールデンウィークも終わりに近づいた頃、猫又はある場所を訪れていました。
「ここか… たしかに火山の地熱で年中暖かだし、ビーチには最適かもしれないな…」
実はリゾート施設建設予定地の下見に来たのです。
「ちょっと周りの様子を確認してこよう…」
砂浜を歩いていた時、猫又の目に意外な光景が飛び込んできました。

Sa-Yu「あら?お客様かしら?」「いらっしゃい♪」
猫又「!!」
Sa-Yu「「Sa-Yuよ、はじめまして♪♪」」
猫又「…あ、あの猫又と申します」
Sa-Yu「猫又さんね」「ちょうどお昼ご飯を作ったところなの。よかったらご一緒にいかが?」
そのモノたちは突然の訪問にもかかわらず、フレンドリーに猫又に話しかけてきました。
猫又「ええと…いつからここに住んで…?」
猫又はおそるおそる尋ねました。
Sa-Yu「ん~つい最近よ?」「わたしたちすっかりここが気に入っちゃって!」
Sa-Yu「だってとても静かだし、暖かいし?」「常夏の島って感じよね♪」
猫又「ええと、言い難いのですが実はここはリゾート施設建設予定地なんです…」
Sa-Yu「あらやだ!」「あらやだ!」
猫又「申し訳ないのですが、どこか他所に移動してもらえないでしょうか…?」
Sa-Yu「う~ん急にそんなこと言われても…」「困ったわねぇ…」
Sa-Yu「引越しするにしても、荷物が多くて…」「そうよねぇ人手があるなら別だけれど」
猫又「…わかりました。何とかします…」

帰り道、船に揺られながら猫又は考え込んでいました。
「何とかするにしても1人じゃ無理だなぁ…また桜のみなさんにお願いするしか…」

というわけで!!

【日  時】 5月15日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※未踏の航路を導入されていない方はイベントの一部を体験できません。
※チャット(#EM-Event)にお入りください。
※アクセス権フリーの船を出してくださる方大募集!

イースター2011イベント開催のご案内

◆ 日時: 4月24日(日)スタート
※当日の正午(日本時間)までにスタートし、今後およそ2週間継続します。
◆ 開催場所: トランメル、フェルッカ同時開催となります。
◆ ライキュームに不思議なウサギが出現したようです!詳細はこちら!
NPCたちにキーワードを投げかけることでヒントを得られます。
指示に従ってゲームをすすめてください!
◆ ゴールはひとつではないかもしれません…。

イースター2011 “ムラサキウサギの親友”

「頼む…。何とかしてくれ…。」

やれやれ。またその話か。薄暗がりからすすり泣きとともに聞こえる声を聞いて、誇り高きイースター・バニーのムラサキ・シキブは身づくろいをしながらため息をついた。

「わが友エドワード。隠者としてすすんで世をしのぶ身となったあなたが、なぜにそこまで自らの肉体に執着するのです?肉体など仮の宿。この世の真理に精通したあなたなら、とっくにご存知だと思っていましたよ。」

そりゃあ、あたしだって自分が茶色い普通の野ウサギだったらと何度も思ったわよ。ムラサキ・シキブはつややかな紫色の毛におおわれた自分の手の甲を見つめながらもう一度ため息をついた。
けれど彼女は忙しかった。毎年、毎年、彼女は子を産み落とした。あれは何年か前の冬のこと。ブリタニアの血気にはやる若者たちが、幸運を呼ぶとうわさされた紫色のウサギたちをこぞって捕獲していた時にも、彼女は穴ぐらで子を産み落とした。誰に教えられたわけでもなく、ウサギたちはこうして命をつないで来たのだ。

「人間などウサギにくらべればはるかに長生きだと言うのに。何を血迷ったか!ちょっと顔がキレイなだけの、あんなはすっぱな魔女のレシピをうのみにするなんて!」

そのとき、地上からもれるひと筋の光のなかに、世をしのぶ男の姿がほの白く浮かび上がった。白骨化しながら生きながらえるその男は、わずかな光源にすらおびえるようにして、さらに部屋の奥へとひっこんでしまった。そしてもはや肉体を持たない彼の体からは、ひゅーひゅーと空気がもれるような嗚咽しか聞こえてこないのであった。
これが「不老不死」にとりつかれた男の末路なのだろうか。ムラサキ・シキブは彼女が寝床にしている暖かな藁のしかれた部屋のすみに身を寄せると、油断なくあたりを見回してから耳を背中にぴったりとつけて眼を閉じた。ムラサキ・シキブはまどろみながら、あの日の出来事を思い出していた。

幼いころ両親に死別し、人一倍「死」に敏感なうえ、病弱でもあったエドワードが、命や若さへの執着を、年を重ねるごとに大きくして行ったのは、よもや自然の成り行きであったかも知れない。やがて寝食を忘れてその研究に没頭するようになった彼の目は落ちくぼみ、柔らかな栗色の髪の毛には白いものが混じるようになった。
あれは忘れもしない、ある嵐の晩のこと。さる高名な魔法使いの弟子だと名乗る、黒いメイジ帽子に黒いぴったりとしたワンピースを身に付けた、やたらに肉感的なブロンドの魔女がたずねて来たのだった。

「あなたがエドワードさまでいらっしゃいます?」

真っ赤な口紅を塗ったぽってりとした唇を、これみよがしに舌でちろちろ舐めなから、若い魔法使いの女は妖艶にほほ笑んだ。いやな女だわ。ムラサキ・シキブはぎろりと女をにらみつけた。女はそんなムラサキ・シキブを意に介した様子もなく、つんとすました様子でエドワードがぎこちなくすすめる椅子に腰を下ろした。エドワードとテーブルをはさんで向かい合うと、女はおもむろに切り出した。

「実は今日はエドワードさまに耳よりなお話を持って来ましたの。」

女はワンピースの胸元からこぼれんばかりの胸をエドワードの鼻先につきつけるようにしてテーブルの上に身を乗り出し、わざとらしく声をひそめて言った。

「不老不死のお薬を研究されているとお聞きしまして…。」

「いやはや…。そ、その通りですが、お恥ずかしいことにまださっぱり糸口が…。その…。つかめないでいるのです。」

エドワードは見るからに落ち着かない様子で、手元にあった台ふきんで額の汗をぬぐっている始末だった。この年になるまでろくに女性と接したこともないエドワードの様子を、ムラサキ・シキブははらはらしながら見守っていた。女はふたたびにっこりとほほ笑むと、信じられないことを口にした。

「ご心配にはおよびませんわ!実は、わたくしその薬のレシピを持っておりますの…。何を隠そうわたくしはもう100年以上生きておりますのよ。自分が一番若く、美しかったあの頃のままで!」

女はエドワードの驚嘆した様子を確認して満足気に頷くと、たたみかけるように歯の浮くような言葉を並べたてた。

「エドワードさまのおうわさはかねてよりお聞きしておりましたのよ…。大変優れた魔術師であり、錬金術師であり、カバラの達人であり…。いいえ、この世のすべてに精通していらっしゃる…。」

女はさらに続けた。

「わたくし…。その…。恥ずかしいのですけれど、ずっとエドワードさまにあこがれていましたのよ。このレシピはわたくしの師である祖母から受け継いだ門外不出のレシピなのですけれど…。こっそりエドワードさまにだけお教えしますわ。そうすればわたくしたち、ずっといっしょにいられますものね?でも…。」

女は上目遣いにエドワードを見つめると、さらに鼻にかかった声でこう付け加えた。

「あいにくただというわけには行きませんのよ…?」

その瞬間のエドワードを値踏みするような女の表情を、ムラサキ・シキブは見逃さなかった。
女は今までのエドワードの蓄えがほぼ、なくなってしまうような法外な値段をふっかけて来たが、ムラサキ・シキブの制止もむなしく、エドワードは顔を真っ赤にしながら、ふるえる手で小切手にサインをしてしまったのだ。
スリスの舌にワイバーンの革。女に言われて一心不乱にエドワードが書き写すその材料は、薬の材料としてはありふれたものだった。

「ブラックロックの粉末。」

えっ?ムラサキ・シキブはその長い耳をそばだたせ、眼を大きく見開いて女を見た。紫色のウサギという類まれな存在ゆえに、人目を避けた生活を送ってはいるが、世の中の事情にそう疎くはないつもりだ。それがどんなに危険なものか、この女はわかっているのだろうか?
一気に話し終えると、女は名残惜しそうなエドワードをふり払うように、そそくさと出口に向かい、一向にやまない嵐のなかをまるで頓着する様子もなく出て行った。ムラサキ・シキブはしばらくの間、その正体を見極めようと後ろ姿を窓から見送っていたが、やがてあきらめてその場を離れた。
ほどなくして部屋の中にはすえたような臭いが充満しはじめた。すさまじい雷鳴があたり一面を白昼のように浮かび上がらせたそのとき、フラスコに入った緑色の液体を、今にものどに流し込もうとするエドワードの姿がムラサキ・シキブの目に入った。えもいわれぬ恐怖を感じてムラサキ・シキブはありったけの声をふりしぼって止めた。
けれど時はすでに遅かった。

閉じた瞼の裏に浮かんだ、あの日の忌まわしい光景をふりはらうように、ムラサキ・シキブは思わず叫んでいた。

「エドワード!わたしは紫色のウサギです。地上に姿を現わせば、たちまち捕まえられてしまうかも知れないのですよ?それはおわかりですね?」

けれど彼女をかくまい、ともに世をしのんでつつましやかながらも楽しい日々をともに過ごした親友から、思いやりに満ちた答えが返って来ることはついぞなかった。

「よろしいでしょう。エドワード。」

意を決したようにムラサキ・シキブは言った。

「わたしが現われたと聞けば、きっと腕に覚えのある者たちが、大挙してこのライキュームにやって来るでしょう。わたしが彼らを誘導します。あとはあなたが彼らに頼んでみることです。」

大丈夫。きっとうまく行くわ。穴に落とせばしめたもの。彼らはきっとエドワードに話しかけてくれるはず。

あなたが「隠者」のエドワードですか?と。

※イースターは復活祭とも言われ、イエス・キリストの復活を祝う日です。
イエス・キリストは、十字架につけられて死んでから、三日目に復活したと言われています。
イースター・エッグはひよこが卵の殻を破って出てくるように、キリストが死という殻を破って
よみがえったことを象徴しています。