ある日の夕暮れ、チェリーはユーの近くの道を歩いていました。
「ふう…さすがにこの時期はみんな考える事が同じね。畑に行ってみたけれど大きいかぼちゃはあまり残っていなかったわ」
ふと見ると道沿いの森の中からリッチが歩いてくるのが見えたので、チェリーは素早く身を隠しそれをやり過ごそうと息を潜めました。
その時です、チェリーのお腹からキュルルルル~と大きな音が鳴ってしまいました!
しかも、それに気がついたリッチがどんどんこちらに向かってきました。
「最悪!!とにかく逃げなきゃ!」
チェリーは森の中をひたすら走って逃げました。
無事リッチを振り切って、疲れきったチェリーは倒木に腰を下ろしました。
「あぁ怖かった!それにしてもお腹が減ったなぁ…今日は一日中ろくに食べてないのよね」
鞄の中をごそごそと漁りましたが、青い包み紙のキャンディーしかありません。
「もう駄目!走ったら余計にお腹が減ってしまったわ。動けない…」
ゴロンと草むらに横になり休んでいると、森を渡る風に甘い匂いが混じっているのに気がつきました。
「なにかしら…?いい匂い」
起き上がりふらふらと匂いのする方に行ってみると、森の中にぽつんと小さなテーブルと椅子が置いてありました。
テーブルの上には明るく灯るランタンと美味しそうなケーキが乗っています。
「お腹が減りすぎて夢でも見ているのかしら?だってこんなケーキが森のなかに置いてあるっておかしいわよね」
きょろきょろと周りを見回してみましたが、人の気配はありませんでした。
「誰かが置いて行ったのかしら?アイテムが置き捨てられているなんてことはこの世界には良くあることだし」
「毒が入っているかもしれない。それとも誰かがここでピクニックをしていたとか?」
目の前のケーキを食べるかどうか悩んでいると、ふいにテーブルが傾きました。
「あっ落ちる!」
チェリーは思わずケーキを両手で掴んでしまいました。運良くケーキは地面に落ちなかったものの、彼女の両手はクリームまみれになってしまいました。
「もうどうしようもないわよね」
突然の出来事ですっかり拍子抜けしてしまったチェリーはケーキをテーブルの上に戻し、ついうっかり指に付いたクリームを舐めてしまいました。
「美味しい!こんなの食べた事がないわ!」一口食べたらもう止まりません。
「不可抗力よ、うん!」お腹が減っていた事もあり、気が付けばケーキをまるごと全部食べてしまっていました。
とたんに後ろめたい気持ちになりましたが、もう食べてしまったものは仕方ありません。
「…もしケーキの持ち主が戻ってきたら、謝って許してもらおう。」
しばらくそこで待っていましたが、誰もやってきませんでした。
そうこうしているうちにすっかり夜になってしまいました。
持ち主はいなかったのかもしれないという事にして、帰路へつくことにしました。
帰宅したチェリーはよほど疲れていたのか、着替えもせずにそのままベッドに倒れこんで寝てしまいました。
次の日の朝早く、猫又がチェリーの家に訪ねてきました。
「おはようございますチェリーさん。今夜はハロウィンパーティーですよ」
「おはよう…むにゃむにゃ…」
昨日の疲れが残っているのか、なんとなく体が固くギシギシします。
「まだ寝ていたんですね。準備を手伝って欲しかったのですがお疲れのようですね。本番ではお客様のお相手をお願します。それ今夜の衣装ですか?面白いですね…ではお先に!」
「はぁい…むにゃむにゃ…」
二度寝の後、チェリーが目を覚ますと…!!
【日 時】 10月30日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備 考】
※戦闘・移動魔法の準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャットJapanEMevent(#の無い方)にお入りください。
※ロールプレイキャラの周囲を空けてくださるようお願いいたします。
※イベントの後は持ち寄りパーティの予定です。仮装・料理は各自でご用意ください。