父を探して part2

グリーンゴブリンの男の子が目を覚ますとそこは小さなベッドの中でした。
「ここはどこだろう?ああそうだ。ボクあの女の子の家に来たんだ…」
ごろりと寝返りをうつと身体のあちこちに鈍い痛みが走りました。
『あれは夢じゃなかったんだ』男の子は思い出していました。
父親を追いかけて、グレイゴブリンの牢屋からムーンゲートに飛び込んだ時は無我夢中でした。
見たこともない恐ろしいモンスターと冒険者たちが戦っている間、必死に父親を探しましたが
結局見つけることが出来ませんでした。
「…お父さん、どこに行っちゃったの?」

近くで誰かが話し合っている声が聞こえた気がして重たいまぶたをそっと開くと
目の前にグレイゴブリンの老婆のクシャクシャの顔がありました。
「ヒッ…!」男の子は急いで毛布をかぶりました。
「目が覚めたようだね。そうこわがらなくていいよ。別にとって食ったりしやしないよ」
『どうしよう…!大人のグレイゴブリンだ…!ボク捕まっちゃったの?』
一生懸命記憶をたどってみますが、よく思い出せません。
「ずっと眠り続けていたから心配したじゃないの!でもよかったわ」
『あっこの声は…』毛布の隙間からちらりと顔を出すとあのグレイゴブリンの女の子がいました。
「お母様が急に近寄ったからビックリしたのよ。この子、グレイゴブリンはグリーンゴブリンを蜘蛛の神様のイケニエにすると信じているんだから!」
すると老婆は顔をよりいっそうクシャクシャにして笑いました。
「ひゃっひゃっひゃっ! そんなんでよくココまで来られたね。とんがり耳の息子のくせに肝っ玉が小さいわい」
「お父さんを知っているの!?」父親の通り名を聞いた男の子はベッドから飛び起きようとしますが、天井がグニャリと曲がり目が回って倒れてしまいました。
「急に動いちゃダメよ!まったく、アンタってひよわなのね。とりあえず体力を取り戻すのよ。これなら食べられるかしら?」
女の子が暖かいシチューを用意してくれました。そういえばお腹がぺこぺこです。
シチューをかきこんでいると老婆が話しかけてきました。
「お前さんには悪い事をしたね。とんがり耳はね、今ちょっと用事で出かけているんだよ。この婆の頼みでね」
「えっ?どういうこと?」
「話せば長くなるのだけどね、とんがり耳は昔、この婆の娘の家来だったのさ。その縁でグレイゴブリンとグリーンゴブリンが敵対している今でも時々こちらを訪ねて来るのさ。牢屋に入っていたのはね、今はその方が安全だからだよ。グリーンゴブリンがここへ来るのをこころよく思わない連中がたくさんいるからね」
「お父さんがグレイゴブリンの家来だったなんて聞いたことないよ!それにグレイゴブリンはグリーンゴブリンが大きらいだっていつも言っていたよ?」
「まあ無理もないがね。とんがり耳には昔、つらい思いをさせてしまったからね」
「アタシも聞いてビックリしたのよ。蜘蛛神の乙女ととんがり耳がまさか…ね」
『蜘蛛神の乙女?』男の子にはわからないことばかりでした。

部屋のドアをノックする音がして、緑色のローブを着たネコに良く似た男がボロボロの紙と地図を持ってやってきました。
「こんばんは。やあ目が覚めたんですね良かった」男の子を見つけると男は微笑みました。
そしてグレイゴブリンの老婆と女の子の方に向き直り、話しはじめました。
「ところでお預かりしていたこのメモなんですが、やはり人間の文字でしたよ。ところどころ破けていますが読める部分だけノートに書き写してきました」
「悪いけれど、読んでもらえるかい?この婆は人間の文字は読めないのでね」
「どうやら場所のメモのようですよ」

「トラ■■ クモ城地下
イ■■ェナー クモ洞窟
トクノ ■■の湖
ト■■ル ■■トス2■
■■ス ■OO■1F
テル■■クモの■ 
イル■■■■ 3羽の蝶」

「アビスじゃないね…もしかして外の世界なのかい?」
老婆は男がもってきた地図を見ながらため息をつきました。
「とんがり耳になにかあったらこの子に申しわけない。思ったよりヤツの帰りが遅いから心配しているんだよ。」
「もしよろしければ、捜索隊を組んでとんがり耳を探しに行きますがどうでしょう?」
「頼んでもいいのかい?」
二人の会話を聞いていた男の子と女の子の耳がピクピクと動きました。

【日  時】 7月24日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘・移動魔法の準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャット JapanEMeventにお入りください。
※SAに対応していないアカウントではイベントの一部を体験できません。
※ロールプレイキャラの周囲を空けてくださるようお願いいたします。
※トゥイスティッド ウィールドダンジョン入場クエストを受けていない方は、イベントの一部を体験できません。

父を探して

アンダーワールドの片隅にとても仲の良いグリーンゴブリンの父子が住んでいました。
父親は一族の中でも変わり者として有名で、しょっちゅう外の世界へ出かけてはトモダチと冒険したり、
トモダチの言葉を教えてもらったりしていました。
そうそう「お酒の飲み方」もトモダチに教わったことの一つです。
彼のお気に入りはフリントの強烈ビール、手に入れるには一仕事必要です。
アンダーワールドにいるフリントという男のところからこっそりと大麦の樽や帳簿をくすねて、トモダチに手渡します。
トモダチは何食わぬ顔をして、いかにもそれら取り返してきたかのようにフリントに渡します。
するとフリントは大喜びで、特製のビールをくれるのです。それをトモダチと山分けするのです。
持つべき物は良いトモダチ!

酔った父親の話をいつも楽しみにしているのは彼の小さな息子。
生まれながらにちょっと変わった体の色をしていたので、こっそりと大事に育てられました。
そう、いわゆる箱入りってやつです。生まれてこのかたアンダーワールドの片隅から出たことがないのです。
彼に外の「トモダチ」はいません。でも良いのです。
大好きな父親がいるのですから! 

今日も父親はビール片手に話の花を咲かせます。楽しい冒険の話、難しいグレイゴブリンの話、
お酒の話、トモダチの魔法の話…くるくる変わるその話に小さな息子はもう夢中です。
「お父さん、ボクも外の世界に行ってみたいな!」
「…いいとも! おまえがもう少し大きくなったら一緒に行こう。」
「本当に? 約束だよ!」
「わかったわかった」
酔っぱらいの口約束だからと思いつつも、小さな息子は今日もトモダチの言葉の勉強に余念がありません。
外に出られない彼のために父親はたくさんの本を与えてくれました。
外の世界の本は彼の宝物。何冊だって飽きずに読みます。
「お父さん、この本は数字と名前ばっかりだね?」
「ああ、そりゃ帳簿だからな…こっちの本を読むといい。そういえばそろそろビールが無くなるころだな…」
「ちょっと出かけてくる」
いつものように父親を送り出し、小さな息子は勉強の続きをしました。そしていつのまにか眠ってしまいました。
目が覚めた時、彼は部屋で一人ぼっちでした。父親は帰っていないようでした。

それから何日かが過ぎても父親は帰ってきませんでした。父親の行方について仲間のゴブリンがいろいろな噂をしていました。
「彼はフリントのガードに捕まったに違いない」「彼は外で魔物に殺されたに違いない」「彼はロットワームに喰われた」…しかしどれも本当かどうかはわかりません。
小さな息子はひどく悲しみ、毎日泣きながらアンダーワールドをさまよっているそうです。

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【日  時】 6月19日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャット(#EM-Event)にお入りください。

船で引越し!

ゴールデンウィークも終わりに近づいた頃、猫又はある場所を訪れていました。
「ここか… たしかに火山の地熱で年中暖かだし、ビーチには最適かもしれないな…」
実はリゾート施設建設予定地の下見に来たのです。
「ちょっと周りの様子を確認してこよう…」
砂浜を歩いていた時、猫又の目に意外な光景が飛び込んできました。

Sa-Yu「あら?お客様かしら?」「いらっしゃい♪」
猫又「!!」
Sa-Yu「「Sa-Yuよ、はじめまして♪♪」」
猫又「…あ、あの猫又と申します」
Sa-Yu「猫又さんね」「ちょうどお昼ご飯を作ったところなの。よかったらご一緒にいかが?」
そのモノたちは突然の訪問にもかかわらず、フレンドリーに猫又に話しかけてきました。
猫又「ええと…いつからここに住んで…?」
猫又はおそるおそる尋ねました。
Sa-Yu「ん~つい最近よ?」「わたしたちすっかりここが気に入っちゃって!」
Sa-Yu「だってとても静かだし、暖かいし?」「常夏の島って感じよね♪」
猫又「ええと、言い難いのですが実はここはリゾート施設建設予定地なんです…」
Sa-Yu「あらやだ!」「あらやだ!」
猫又「申し訳ないのですが、どこか他所に移動してもらえないでしょうか…?」
Sa-Yu「う~ん急にそんなこと言われても…」「困ったわねぇ…」
Sa-Yu「引越しするにしても、荷物が多くて…」「そうよねぇ人手があるなら別だけれど」
猫又「…わかりました。何とかします…」

帰り道、船に揺られながら猫又は考え込んでいました。
「何とかするにしても1人じゃ無理だなぁ…また桜のみなさんにお願いするしか…」

というわけで!!

【日  時】 5月15日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※未踏の航路を導入されていない方はイベントの一部を体験できません。
※チャット(#EM-Event)にお入りください。
※アクセス権フリーの船を出してくださる方大募集!

お雪の宝物

「あれは何年前じゃったかのう…」
長老は網の手入れをしながら、独り言をつぶやいた。
「そうじゃ、あれは確かトクノの秘宝の時じゃ。」
「何の話? おじいちゃん」
作業を手伝っていた孫娘のお雪が尋ねた。
トクノの秘宝を求めて島のいたる所に冒険者がつめかけたのはもう随分前の話だ。
「昔、この地に宝物が隠されていたのが分かってな、冒険者が沢山来たんじゃ。
わしはもうその頃には隠居の身じゃったから宝探しはせなんだが…一夜の宿にとこの家に泊まった者も多かったんじゃよ」
「こんな寂れた所に沢山の人が来たなんて、なんだか信じられないわ」
「彼らは徳之島中のモンスターを虐殺していった。鬼も…雪女も…ありとあらゆるもの全部じゃ…宝を持っていたからな」
「宝ってそんなに良いものだったの?いくらモンスターだからって、なんだか気の毒ね」
「昔の話、じゃよ…それはそうと、もう夜も遅いようじゃ。先におやすみ」
「はぁい、おじいちゃんもあまり遅くまで無理しないでね!もう年なんだから」
「…年は余計じゃ…」

部屋を出るお雪の後姿を目で追いながら、長老は昔を思い出していた。
あの吹雪の晩に訪ねてきた親子を、青白い顔をした母親と小さな女の子の事を。
母親は言っていた。
「秘宝騒ぎで私たちの村にも人が沢山押し寄せ、村はひどく荒れてしまいました。何の罪も無い小さな子供を守りたい一心でここまで逃げてきたのです。どうかお願いします。ここに置いてください…」
「…その様な事情ならば遠慮はいらぬ。何、今はちょっとバタバタしているが、年寄りの一人暮らしじゃ。好きなだけここに留まるが良い」
「…ありがとうございます…うう…」母親は泣きながら何度も頭を下げていた。
「どれどれ、おお可愛い子じゃな」長老は泣いている母親の側にいる女の子を安心させようと優しく語りかけた。女の子は物怖じもせずに長老を見つめていた。
「…はげ!!」満面の笑みとともに女の子は言った。
「こ、これっお雪っ!!なんと言うことを…謝りなさい」
「禿げではない面長なのじゃ!」苦笑しながら長老も言い返した。
「おもなが?」「そうじゃ」「おもなが―」にこにこしながらおでこを叩いていたあの子が今はこんなに大きくなって…。
その年の春が来たころ、母親は姿を消してしまった。以来ずっと二人で一緒に暮らしている。
「…こんな吹雪の晩じゃったな…あれから何度か春が来たが、お雪はまだここにいる。ずっとこのままならば良いのじゃが…」
手入れの終わった網を壁に掛けながら長老はまた独り言をつぶやいていた。

その日の深夜、吹雪がどんどん強くなって二人の家を襲った。
雪嵐が家中を駆け巡り、真っ白くなった部屋に白い大きな魔物が現れた。
「おじいちゃんっ!おじいちゃん!」お雪が吃驚して自分の部屋から飛び出してきた。
その瞬間、魔物はお雪を抱きかかえると「あの娘だな!!返してもらうぞ!」と叫んだ。
「ま、待て!!お前は何者じゃ!! お雪を離せ!! お雪ーーーっっ!!」
長老は必死に叫んだがその声も虚しく魔物はお雪を連れ去ってしまった。
「な、なんと言う事じゃ…!! だがわしは諦めんぞ… きっとお前を探し出してみせる…」
びしょ濡れになった体を恐怖と怒りで震わせながら長老は決意していた。

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ジャム「…とまあ、長老の話はこんな感じだ」
猫又「要するに人探しですか?」
ジャム「厳密に言うと人じゃないかもしれないがな。まあお前もそんな感じだし別にいいだろ?」
猫又「ジャムさんの持ってくる話っていつもなんか変わった人の話ですねぇ…」
チェリー「類は友を呼ぶって言うしね(笑)」
ジャム「お前ら他人事みたいに言っているけど、その言葉の意味を良く考えてみろ」
猫又&チェリー 「「!!!」」
ジャム「納得したところでいつもの様に桜の皆さんに頼んでこいや」
猫又「はい(汁)」

というわけで!!

【日  時】 4月3日(日曜日)21時~ ※計画停電の影響により若干変更される場合があります
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E) ※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘準備をして来て下さい。
※貴重品の持ち込みは各自の判断にお任せします。
※チャット(#EM-Event)にお入りください。

親睦会のお知らせ

(12月某日EMホールの2階の部屋にて)

猫又がイベントの後片付けをしていたところに、チェリーがやってきました。

猫又:「こんにちはチェリー、手紙は書けましたか?」
チェリー:「おかげさまで、紙もペンも使いきれないほどあるわ…それにパンも…」
猫又:「そう言えばちょっと太っ…」
チェリー:「デリカシーの無い猫ね…(怒)確かに20ストーンくらい体重増えたけど…」
猫又:「で、今日は何か?」
チェリー:「相談があるんだけど…」
猫又:「ビクッ」

猫又は身構えた、女性が相談という時は気を付けなければいけません。
何故なら彼女は既に答えを持っていて、それに同意して欲しいだけなのです。

チェリー:「実は私、作家を目指してるの!!」
猫又:「それは猫耳、いや初耳ですね…」
チェリー:「それでね、もし良かったらEMイベントのお手伝いをさせてもらえないかって思って…」
チェリー:「色々経験を積んだ方が良い文章が書けると思わない?」

少しの沈黙の後、猫又は言いました。

猫又:「……ではこうしましょう。今度桜の皆さんと親睦会をやろうと思っていたところなのです。」
猫又:「チェリー、貴方にそれを任せましょう。その仕事が上手く出来たら今後の事を考えるという事でどうでしょう?」
チェリー:「わーい!! 採用ね!! やったぁぁ~!! …ところで親睦会って何やるの?」
猫又:「ま、まだ採用と決まったわけじゃ… ええと、桜の皆さんとちょっとしたお出かけをする予定になっていて…」
チェリー:「お出かけ?どこに行くのかしら?危ない所なら戦闘準備がいるわよね?」
猫又:「詳しくは当日発表ですけど、念のため戦闘準備はしておいてください」
チェリー:「…なんか企んでるわね?」
猫又:「…それが私の仕事ですので…」

と、言うわけで…!!!

親睦会のお知らせ

【日  時】    1月2日(日曜日)21時~
【集合場所】  桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
                   ※ブリ1銀前に直通ゲートがあります
【行 き 先】    当日発表予定
【備  考】    ※念の為、戦闘準備をして来て下さい。
                   ※バナナはおやつに含みます。