父を探して part3

「この野郎、なんとか言わないか!」
緑ゴブリンの男の子は今まで聞いたことも無いほどの怒鳴り声をあげる父親を見つめながら震えていました。
「とんがり耳!少しは落ち着いたらどうだい?そんなに大声を出したら怖くて何も答えられないだろう!」
グレイゴブリンの婆さまがグレイゴブリンの女の子に男の子を部屋から連れ出すように言いました。

尋問されている謎めいた黒いゴブリンの目にはうっすらと涙が浮かんできました。
「…最初は小さな蜘蛛だったんだ…珍しい色をしていたから飼うことにして…」
黒いゴブリンは震える声でポツリポツリと語りだしました。

男の子が部屋から出ると女の子が話しかけてきました。
「大丈夫?ビックリしたわよね。でもとんがり耳の気持ちもわかるわ」
「ぼく、あんなお父さん初めて見たよ…」
「きっと蜘蛛神の乙女のことが心配でたまらないのね。こんな言い方は不謹慎かもしれないけれど
なんてロマンチックなのかしら…」
「ロマンチックてなあに?」
「…同意が得られるとは思ってなかったけれど(汗)。大好きな人がいなくなったら心配でしょ?そんな感じよ!」
「蜘蛛神の乙女とお父さんのこと、ぼくちっとも知らなかったからなんだかまだピンとこないんだ」
「何言ってるのよ!まったく子供なのねアンタって。ふたりが恋仲だったからアンタが生まれたんじゃないの!」
「恋仲だと子供が生まれるの?どうやって?」
「そ、そんなの…お互いを大好きなふたりがぎゅーって抱きしめあえば子供ができるのよ!うん!」
「えっそうなの…よくわかんないけど…」
女の子は真っ赤になってツンとそっぽを向いたかと思うと、ふと思い出したかのように向き直りました。
「あっそうそうアンタに渡したい物があったのよ」
そう言って女の子は男の子に指輪を差し出しました。
「この指輪なあに?」
「それはねバララークの指輪よ。前にちらっと言った事があると思うけれどそれがアンタの役に立つと思うの。それを指にはめてみて」
「こう?」
指輪をはめると男の子はグレイゴブリンにそっくりな色になりました。
「…アンタはグレイゴブリンがキライかもしれないけれど、この街にいる間はそれを使ったほうが良いと思うわ」
「うん、ありがとう…えっと…」
「アタシのことはお嬢様って呼びなさいって言ったでしょ?」
「(本の中のお嬢様はもうちょっとおしとやかだったような気がするけれど)ありがとうお嬢さま」
「乙女ってアンタのお母さまよね?無事だと良いわね…」
「うん」

部屋の中では黒いゴブリンが恐怖でこわばった顔で話をしています。
「ヤツは、あの蜘蛛はだんだんと大きくなって…変わった獲物を欲しがるようになったんだ…
血だよ…最初はこっそりと緑ゴブリンの死体とかを与えていたんだけれど最近はグレイゴブリンでもお構いなしになって…あああ!!わたしの家族も…!!」
「落ち着いて、続きを話すんだ。」
とんがり耳が促すと黒いゴブリンは狂ったような叫び声をあげました。
「なんなんだよ!緑ゴブリンがどうしてこんなところにいるんだ!そうか、ヤツはお前が送り込んだ魔物だったんだな!」
怒ったとんがり耳が黒いゴブリンにつかみかかろうとした時、
「喝!」
ものすごい声がして一瞬部屋の中が静かになりました。
「続けな、ただし余計な事は言うんじゃないよ。お前に聞きたいのはそんな事じゃない。乙女をどこにやったかだ」
お婆さまが冷静に、かつ怒りに満ちた声で言いました。
「く、蜘蛛神の乙女ならばヤツの暴走を止められると思ったんだ。だけどヤツは乙女を襲った!なあどうしてなんだ?乙女は蜘蛛には襲われないはずだろう?」
「…馬鹿なことを!ああ、なんてことだ!最近の若い者は本当に不信心だよ…いいかい?蜘蛛と乙女には相性というものがあって…ってそんな話は今はどうでも良い。乙女の居場所をさっさと言わないかい!大体なんで逃げたんだい?」
「仕方が無いだろう!わたしだって必死だったんだ!乙女は繭に入っている、ヤツの巣はこの街の外れの…」

全て話し終わると黒いゴブリンは気絶してしまいました。
お婆さまはとんがり耳に言いました。
「またお前さんの出番のようだね」
とんがり耳は黙って頷きました。

【日  時】 9月18日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘・移動魔法の準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャットJapanEMevent(#の無い方)にお入りください。
※SAに対応していないアカウントではイベントの一部を体験できません。
※ロールプレイキャラの周囲を空けてくださるようお願いいたします。

夏の雪

8月下旬、桜EMホールにて

「暑い…」
「暑い…」
「ねえ、その毛皮脱いだらどう?その暑苦しいローブも」
「無理です。チェリーさんこそ、その贅沢なお肉を少し脱いだらどうです?」
「怒!好きで着ているんじゃないわよ!!」
「熱くならないでください、怒っても涼しくはなりませんよ」

このところのあまりの暑さに耐えかねた2人がみっともない口げんかをしているところに
1人の老人が訪ねてきました。

「ごめん!」

「玄関で誰かが謝っているわよ?」
「謝っているわけじゃ…誰かと思ったらトクノの長老さんだ。ほらあの雪女になってしまった孫娘と一緒に暮らしている面長の」
「ああ、あの人間だったときは色白の美人だったけれど、ある晩雪鬼にさらわれて冷たい息を吹きかけられたら雪女になってしまったというお雪さん!」
「…誰かに説明しているんですか(汁)」
「確か、桜のみんなの協力で雪鬼のところから戻ってこられたのよね?」
「そうです。雪女になってしまったけれど育ての親の長老さんと暮らすことにしたはずです」

「久しぶりだの、その節は本当に世話になった礼を言う」
長老は額の汗を光らせながら、深々と頭を下げました。

「この暑い中、良く来てくださいました。ところで今日はどんなご用件で?」

「…じつはお雪のことなんじゃが、ちと困った事になってのう」
「「困った事?」」

【日  時】 8月27日(土曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘・移動魔法の準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャットJapanEMevent(#の無い方)にお入りください。
※ロールプレイキャラの周囲を空けてくださるようお願いいたします。

ライブイベント“Demise of the Defiler”のご案内

ザー女王が皆さんの支援を求めています。
ガーゴイル族の深い闇の歴史に決着をつけるときがやって来たようです。
協力してくださる方は、テルマーのムーンゲートに下記時間に集合してください。

開始予定日時:
8月6日(土)
大和シャード 20時
桜シャード  21時
(大和シャードのイベントの終了時刻により、桜シャードの開始時刻が遅れる場合があります。)

召集場所:テルマー ムーンゲート付近
六分儀座標:165o 40’S, 34o 10’W

このイベントの参照リンク

◆Demise of the Defiler
http://www.uoherald.com/node/425

◆BNN 力の素材
http://ultimaonline.jp/community/news.phtml?id=90508 

◆BNN 闇に動きだす者
http://ultimaonline.jp/community/news.phtml?id=90464

※BNNはUO日本公式ウェブサイトとなります。

注意事項:
◆ チャットチャンネル JapanEMevent(#の無い方)にお入りください。
◆ 桜シャードの開始時間が若干遅れる可能性があります。ご了承ください。
◆ トライアルアカウントのプレイヤーは、イベントの一部を体験することができません。
◆ 当日は戦闘準備のうえ、お越しください。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
  イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

父を探して part2

グリーンゴブリンの男の子が目を覚ますとそこは小さなベッドの中でした。
「ここはどこだろう?ああそうだ。ボクあの女の子の家に来たんだ…」
ごろりと寝返りをうつと身体のあちこちに鈍い痛みが走りました。
『あれは夢じゃなかったんだ』男の子は思い出していました。
父親を追いかけて、グレイゴブリンの牢屋からムーンゲートに飛び込んだ時は無我夢中でした。
見たこともない恐ろしいモンスターと冒険者たちが戦っている間、必死に父親を探しましたが
結局見つけることが出来ませんでした。
「…お父さん、どこに行っちゃったの?」

近くで誰かが話し合っている声が聞こえた気がして重たいまぶたをそっと開くと
目の前にグレイゴブリンの老婆のクシャクシャの顔がありました。
「ヒッ…!」男の子は急いで毛布をかぶりました。
「目が覚めたようだね。そうこわがらなくていいよ。別にとって食ったりしやしないよ」
『どうしよう…!大人のグレイゴブリンだ…!ボク捕まっちゃったの?』
一生懸命記憶をたどってみますが、よく思い出せません。
「ずっと眠り続けていたから心配したじゃないの!でもよかったわ」
『あっこの声は…』毛布の隙間からちらりと顔を出すとあのグレイゴブリンの女の子がいました。
「お母様が急に近寄ったからビックリしたのよ。この子、グレイゴブリンはグリーンゴブリンを蜘蛛の神様のイケニエにすると信じているんだから!」
すると老婆は顔をよりいっそうクシャクシャにして笑いました。
「ひゃっひゃっひゃっ! そんなんでよくココまで来られたね。とんがり耳の息子のくせに肝っ玉が小さいわい」
「お父さんを知っているの!?」父親の通り名を聞いた男の子はベッドから飛び起きようとしますが、天井がグニャリと曲がり目が回って倒れてしまいました。
「急に動いちゃダメよ!まったく、アンタってひよわなのね。とりあえず体力を取り戻すのよ。これなら食べられるかしら?」
女の子が暖かいシチューを用意してくれました。そういえばお腹がぺこぺこです。
シチューをかきこんでいると老婆が話しかけてきました。
「お前さんには悪い事をしたね。とんがり耳はね、今ちょっと用事で出かけているんだよ。この婆の頼みでね」
「えっ?どういうこと?」
「話せば長くなるのだけどね、とんがり耳は昔、この婆の娘の家来だったのさ。その縁でグレイゴブリンとグリーンゴブリンが敵対している今でも時々こちらを訪ねて来るのさ。牢屋に入っていたのはね、今はその方が安全だからだよ。グリーンゴブリンがここへ来るのをこころよく思わない連中がたくさんいるからね」
「お父さんがグレイゴブリンの家来だったなんて聞いたことないよ!それにグレイゴブリンはグリーンゴブリンが大きらいだっていつも言っていたよ?」
「まあ無理もないがね。とんがり耳には昔、つらい思いをさせてしまったからね」
「アタシも聞いてビックリしたのよ。蜘蛛神の乙女ととんがり耳がまさか…ね」
『蜘蛛神の乙女?』男の子にはわからないことばかりでした。

部屋のドアをノックする音がして、緑色のローブを着たネコに良く似た男がボロボロの紙と地図を持ってやってきました。
「こんばんは。やあ目が覚めたんですね良かった」男の子を見つけると男は微笑みました。
そしてグレイゴブリンの老婆と女の子の方に向き直り、話しはじめました。
「ところでお預かりしていたこのメモなんですが、やはり人間の文字でしたよ。ところどころ破けていますが読める部分だけノートに書き写してきました」
「悪いけれど、読んでもらえるかい?この婆は人間の文字は読めないのでね」
「どうやら場所のメモのようですよ」

「トラ■■ クモ城地下
イ■■ェナー クモ洞窟
トクノ ■■の湖
ト■■ル ■■トス2■
■■ス ■OO■1F
テル■■クモの■ 
イル■■■■ 3羽の蝶」

「アビスじゃないね…もしかして外の世界なのかい?」
老婆は男がもってきた地図を見ながらため息をつきました。
「とんがり耳になにかあったらこの子に申しわけない。思ったよりヤツの帰りが遅いから心配しているんだよ。」
「もしよろしければ、捜索隊を組んでとんがり耳を探しに行きますがどうでしょう?」
「頼んでもいいのかい?」
二人の会話を聞いていた男の子と女の子の耳がピクピクと動きました。

【日  時】 7月24日(日曜日)21時~
【集合場所】 桜EMホール(六分儀座標: 37o 32′N, 172o 32′E)
※ブリ1銀前に直通ゲートがあります。
【備  考】
※戦闘・移動魔法の準備をして来てください。
※貴重品・貴重なペットの持ち込みは各自の判断にお任せします。
※EMは紛失物・ペットの復元はできません、予めご了承ください。
※チャット JapanEMeventにお入りください。
※SAに対応していないアカウントではイベントの一部を体験できません。
※ロールプレイキャラの周囲を空けてくださるようお願いいたします。
※トゥイスティッド ウィールドダンジョン入場クエストを受けていない方は、イベントの一部を体験できません。

【季節イベント】 真夏の夜の夢 2011

どうやら今年も呉服屋の奥方さまは、一日がかりで都へお出かけのご様子。そのすきになんとかしなければ…。

Mt. Sho のふもとの庵で、奥の部屋に据えられた織機の前でうつむき加減に座るオリエの背中に、妖精のピカピカはそっと話しかけた。
「オリエさん、大丈夫よ。わたしがついてますからね。今年も彦左衛門さんにたくさんお土産を持って会いに行きましょうね。」
オリエは緊張した面持ちで、そっとピカピカの方を振り返ると小さくうなずいた。

不憫な恋人たちのために、ピカピカが奔走するようになって、すでに3年もの年月が過ぎようとしていた。天の川は明るく輝いて見えるけれど、ところどころにぽっかりと口を開けるブラックホールへ落ちてしまえば二人はたちまち宇宙の藻屑と消えてしまう。

渡るためには灯りが必要なのだ。あの灯りが。

けれど毎年二人はあの灯りを取るためにそれぞれにてこずり、許された時間はいつも砂のようにさらさらと宇宙にこぼれおちて消えるようであった。つかの間の逢瀬はあわただしく、ぽろぽろと涙をこぼしながら肩をふるわせて泣くオリエの様子に、ピカピカの胸もえぐられるようであった。

なんとか心行くまでゆっくり過ごさせてやれないものか……?

突然、ピカピカの体が真昼のように輝いたかと思うと、星屑を撒き散らしながら空中で一回転した。

そうよ!なぜ今までそれを思いつかなかったの?!

「オリエさん!トクノの冒険者の皆さんにお願いするんですよ!」

怪訝そうな顔のオリエを尻目にピカピカは表へ飛び出して行った。

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日時:7月9日(土)大和シャード21時開始/桜シャード22時開始
※桜シャードの開始時間は若干ずれる可能性があります。ご了承ください。

集合場所:1)居酒屋 さけさか(六分儀座標 34o 38’N, 44o 9’W)
2)勇島 Mt. Shoのふもとの家(六分儀座標 75o 9’N, 6o 15’W)
※ ニュジェルムEMホールよりイベント会場まで送迎ゲートを設置します。
ニュジェルムEMホールへはブリ第1銀行南側の直通ゲートをご利用ください。

イベントについて:
◆イベントチャンネル JapanEMevent にお入りください。※今回から新しいチャンネルになります。
◆ 戦闘準備のうえ、お越しください。なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ ラグ軽減のためイベント会場は2か所に分かれます。
※ 会場の移動は自由ですが、進行の関係上はおすすめしません。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
– イベント進行の妨害、かく乱行為。
– EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!
プレーヤーの皆さまのご協力をお願いいたします。