【イベント】Reunion ~ part 5

ブリテインのヒーラーハウスのヒーラーは厳しい表情を隠そうともせず彼の患者を見つめていた。
「次は右手をゆっくりと曲げてみてください」
「そう……無理はしないで」
「痛っ」
「はい、それくらいでもう結構ですよ。」

エミリオは右手に走った鈍い痛みに思わず顔をしかめてしまったが、心配そうに様子をうかがっていた幸とブルードラゴンに気づくと力ない笑顔を作って見せた。
一月ほど前サラマンダーに焼かれ火傷を負ったエミリオは、一命を取り留めこそはしたがその身体に残された傷は相当に酷いものだった。
重苦しい空気が部屋中に満ちていた。

エミリオが口を開いた。
「先生、僕の右手はもとのように動くようになるんでしょうか?」

ヒーラーは小さく首を横に振った。
「…………右手だけじゃない、あなたの全身に残された火傷の痕はもう消えません。絵も以前のようには……お気の毒ですが……」

「……そんな!」
幸は思わず声を上げてしまったがすぐに両手のひらで自分の口を塞いだ。エミリオの眼に曇りが見えたからだ。

ヒーラーは続けた。
「サラマンダーに焼かれたそうですが、今こうしていられるだけでも幸運なことなんですよ」
「これからはリハビリを頑張っていただいて日常生活に支障が出ないレベルまでの回復を……」
「どなたか身の回りのお世話をしてくれる方はいらっしやいますか?もしいなければ……」

「……一人にしてくれ」
「エミリオさん……」
「……すまない……一人にしてくれっ!!」
エミリオは声を殺して泣いていた。

ヒーラーはそっとエミリオのそばを離れると、小さな声で助手に彼を見張るように指示した。
「彼が落ち着くまで、そっとしておきましょう」
ヒーラーの言葉に促され、幸とブルードラゴンはヒーラーハウスを後にした。

「エミリオさん、どうなっちゃうのかな……?」
幸の瞳からは大粒の涙がこぼれ落ちていた。
「……画家がその才能を奪われようとしているのだ、無理もない」
ブルードラゴンは続けた。
「しかし妙だな。サラマンダーの炎がエミリオを焼くなどありえないはずなのだが……」
「どういうこと?」
「……それは」

————————————————————

芸術ギルド地下のアトリエではエミリオの弟子たちがアゴをつき合わせて話し込んでいた。

「なぁ、エミリオさんはこれからどうなってしまうのかな?火傷だろう?以前のようにはもう描けないんじゃないのか?」
「もしそうならギルドは師匠をどうするつもりなんだろうな、描けなくなった画家を雇い続けるなんて聞いたことがない」
「描けなくなったと決まったわけじゃないだろう!俺はまだ彼に教えてもらいたいことがたくさんあるんだ!」
「俺だって!」
「おい、大声を出すな!上に聞こえるぞ」
今日も地上階ではエミリオの具合を聞きつけた馴染み客の注文に対する問い合わせが続いていた。

「それにしても……」
弟子の一人が立ち上がり、壁際の椅子にすわってたアメデオに絵筆を投げつけた。
「おい止せ!」
「こいつの、こいつのせいで……!」
「落ち着けよ、気持ちはわかるが今はそれどころじゃないだろう、俺たちだけでも出来る仕事は進めておかなけりゃ……」
「ちくしょう!」
弟子たちは慌しく地上階へと戻ると今後の算段をしはじめた。

アメデオは椅子に座ったまま、足元に転がった絵筆を見つめていた。

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日時: 10月23日(日)22時開始
集合場所:ブリテイン芸術ギルド前(六分儀座標:4o 2’S, 8o 30’E Trammel)
※二ュジェルムEMホールより集合場所までゲートを設置予定です。
ニュジェルムEMホールへはブリ第1銀行南側のゲートをご利用ください。

注意事項:
◆ イベントチャットチャンネルにお入りください。
  チャンネル名は JapanEMevent(#なし)です。
◆ Reunion物語の最終回となります。
◆ 当日は戦闘準備のうえ、お越しください。
◆ 今回のイベント開催地はフェルッカを含みます!現地の仕様をご理解の上での参加をお願いたします。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
 イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう

【イベント】Reunion ~ part 4

真っ暗闇の中、たたずむ男の幽霊は今にも消えそうな気配を漂わせていた。

「待って!アメデオ……!」

幸は彼に向かって叫び続けたが、声にならない声が唇から漏れるばかりであった。

「まだ消えちゃ駄目だよ!ブルードラゴンはどうするの!?」

幸が強く心の中で叫んだ瞬間、彼女はふいに現実世界に引き戻された。心配そうに彼女の顔を覗きこむターコイスドラゴンの顔がすぐ近くにあったので幸は思わず目を丸くしてしまった。

「眠りながらうなされていたぞ? 大丈夫か?」

ターコイスドラゴンは器用に翼を動かすと幸の額から流れる汗をぬぐった。

「夢??ブルードラゴンはどこ?」

「彼なら今はエミリオのところへ出かけているはずだが?」

「大変、すぐに知らせに行かなくっちゃ!」

幸は素早く身支度を整えると、ルーンブックをめくりブリテインへとリコールを唱えた。

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日時: 9月18日(日)22時開始
集合場所:ブリテイン芸術ギルド前(六分儀座標:4o 2’S, 8o 30’E Trammel)
※二ジェルムEMホールより集合場所までゲートを設置予定です。
ニジェルムEMホールへはブリ第1銀行南側のゲートをご利用ください。

注意事項:
◆ イベントチャットチャンネルにお入りください。
  チャンネル名は JapanEMevent(#なし)です。
◆ 当日は戦闘準備のうえ、お越しください。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
 イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう

【イベント】Reunion ~ part 3

「おいちい」
「ちょうだい」
「ええ~?まだ食べるの?」

幸がブルードラゴンの幼生の世話を始めて一月あまりが経っていた。

「どうしよう、もう空っぽだよ」

パックパックいっぱいに詰め込んであった鉱石や宝石がまるで銀行前のゴミ箱にでも吸い込まれたかのように全てドラゴンの腹の中へと消えていったのを見て幸は途方に暮れた。それなのに無邪気に追加を要求してくるドラゴンはすっかりと餌をくれる幸に懐いたようで、彼女の足元をちょこまかと歩き回っている。

「ぴぃぴぃ」
「しょうがないなぁ、また鉱山へ行ってこなくちゃ」

その様子を横で見ていた幽霊のアメデオが飽きれた口調で言った。

「ブリタニア中の鉱山を食べつくすんじゃないか?こいつ」
「ええっまさか? それにしてもアメデオが鉱山の場所をいろいろ教えてくれたから助かったよ、ありがとうね」
「フン……お前は掘り師としては素人だしな。でもこれは貸しだぜ、いつかちゃんと返せよ?」
「う、うん」

先月の冒険でイルシェナーの奥地にあったプレナイト鉱山を訪れて以来、アメデオは少し毒気が薄れたような気がする、これがエメラルドドラゴンが言っていた宝石の効果なのかしらと幸は思った。

「そんなに食うクセして、ちっとも大きくならないよな!!」
「元気はあるみたいだけれど……ターコイスドラゴンが調べるって言っていたこの子を大きくする方法ってまだ分からないのかなぁ?」
「このままじゃお前、一生そいつの餌係りだぜ?」

そういうとアメデオはそっぽを向いて黙ってしまった。

「もしかして、心配してくれているのかしら……?」

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日時: 8月21日(日)22時開始
集合場所:ブリテイン芸術ギルド前(六分儀座標:4o 2’S, 8o 30’E Trammel)
※二ジェルムEMホールより集合場所までゲートを設置予定です。
ニジェルムEMホールへはブリ第1銀行南側のゲートをご利用ください。

注意事項:
◆ イベントチャットチャンネルにお入りください。
  チャンネル名は JapanEMevent(#なし)です。
◆ 当日は戦闘準備のうえ、お越しください。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
 イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
◆ 皆さんのイベントです。マナーを守って楽しく参加しましょう!

【イベント】Reunion ~ part 2

「この1ヵ月間、変わりはないようだな?」

ターコイスドラゴンは幸とアメデオの幽霊を見つめつつ安堵とも諦めとも取れるような深いため息をついた。

「その石を寄こせ!」
「駄目だって言ってるでしょ!しつこいなぁ」

一月ほど前、ブルードラゴンの魂の欠片であるラピスラズリが発見されてから、それを護るべく世話係となった幸と彼女が自身の巣に訪れるたびにしつこく話しかけてくるこの奇妙な幽霊とのやり取りにはターコイスドラゴンもいい加減うんざりしていたところだった。
「まったくおちおち寝ていられやしない」

「だいたい幽霊の癖に、いまさらこの石をどうしようって言うのよ?」
「それは俺のじじいが持っていた物なんだから孫の俺に権利がある!当然だろう!」
「残念でした!これはヴィットーリオさんがターコイスドラゴンに預けた物ですよーだ!」
「なにぃ!生意気な小娘め!」
「あっかんべーだ!幽霊なんか怖くないもーん!」

こんなやり取りが一ヶ月もの間繰り広げられていたらしい。その情熱を何か他の建設的なことに向けられないものだろうか。人間という生物はどうしてこうも愚かなのだろう、長命なドラゴン族にはこの短い一生を過ごすだけの種族が持つ執着心と言うものがとても不思議でならないのであった。ターコイスドラゴンは頭を左右に振った。

「いい加減にしないか!これはヴィットーリオの形見であると同時に我が友ブルードラゴンの形見でもあるのだ」

ターコイスドラゴンが翼を羽ばたかせ突風を起こしたので幸は吹き飛ばされそうになり身を固くした。

「ごめんなさい」
「……けっ!」

幽霊と少女は瞬間、我に返ったように大人しくなった。ターコイスドラゴンは話を続けた。

「ときにアメデオよ、エミリオがお前とヴィットーリオの骨をお前の故郷のミノックに埋葬してやりたいと言っているそうだ」
「何だと?あのおせっかいやきめ」
「お前はともかくとして、ヴィットーリオの骨をいつまでもここに置いておくのは忍びない。ここは一つエミリオの厚意に甘えてはどうだ」
「そんなことを言って俺を体よく追い払おうとしているんじゃないか?」
「……どうしたらそんなにひねくれた解釈になるのよ(汗」
「骨を埋めたところで、どうせお前は消えたりしないのだろう?」
「ふん、好きにしろ」
「異論は無いようだな?では幸、エミリオに連絡しておくれ」
「はーい」

幸がブリテインのエミリオのところへ行く準備をしているとターコイスドラゴンが彼女の耳元でささやいた。
「良い機会だからアメデオの過去について調べてきておくれ。それともう一つお使いを頼まれてくれないか?」

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日時: 7月17日(日)22時開始
集合場所:ミノック東の民家前(六分儀座標 87o 49’N, 91o 3’E Trammel)
※二ジェルムEMホールより集合場所までゲートを設置予定です。
ニジェルムEMホールへはブリ第1銀行南側のゲートをご利用ください。

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  チャンネル名は JapanEMevent(#なし)です。
◆ 当日は戦闘準備のうえ、お越しください。
◆ なるべく貴重品は持ち込まないよう、お願いいたします。
◆ 以下に該当の場合、あるいはEMが問題ありと判断した場合はコールのうえ、
 イベント中止の措置を取らせていただく場合があります。
  - イベント進行の妨害、かく乱行為。
  - EM、あるいはほかのプレーヤーに対する侮辱的発言、またはそれに準ずる行為。
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【大和・桜・北斗・瑞穂・無限シャード】8月のイベント日程のお知らせ

平素はEMプログラムへのご理解とご協力ありがとうございます。
8月度のイベントスケジュールをお知らせします。

8月6日(土)
・22:00~ 瑞穂シャード / ミニイベント「航海訓練」

8月12日(金)
・22:00~ 北斗シャード / イベント(未定)

8月13日(土)
・22:00~ 大和シャード / 八月の鯨

8月14日(日)
・22:00~ 桜シャード / ミニイベント(未定)

8月19日(金)
・22:00~ 瑞穂シャード/ イベント(未定)

8月20日(土)
・22:00~ 瑞穂シャード/ 評議会

8月21日(日)
・22:00~ 桜シャード / Reunion~part 3

8月25日(木)
・22:00~ 大和シャード / オラクルチェーン「機密文書を追え!」
・22:15~ 無限シャード / オラクルチェーン「機密文書を追え!」

8月27日(土)
・22:00~ 北斗シャード / イベント(未定)

8月28日(日)
・22:00~ 大和シャード / 評議会
・22:00~ 桜シャード / 評議会
・22:00~ 北斗シャード / 評議会